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お寺の掲示板(令和7年7月)

  • Writer: 木原祐健
    木原祐健
  • Jun 30
  • 3 min read

草加光明寺の掲示板に毎月掲出している言葉をご紹介いたします。取り上げる言葉とその解説は、『お寺の掲示板』(江田智昭著・新潮社)等を参考にさせていただいております。

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「高みを望めば首がこる うつむき過ぎると壁に当たる 何でもほどほど水平がよい」


この言葉は、曹洞宗・宗岳寺(熊本市中央区)の掲示板に書かれていたものです。

(公財)仏教伝道協会が開催した「輝け!お寺の掲示板大賞2024」では仏教全般の情報を発信するホームページ「ここより」から、「ここより賞」を受賞しました。


「ここより」編集部による講評は以下の通りです。

「ご住職の人柄が伝わってくるような迫力を感じ、選出いたしました。「中道」をわかりやすく説いているうえに、情景が浮かんでくるような描写力。そしてなんといっても、手書きならではの「肉筆感」が圧倒的でした。

『お寺の掲示板』の江田さんは、

『「何事もほどほどが良い」ということをうまい例えで教えてくれる掲示板です』と講評し、「お釈迦さまも極端な行為を戒めておられます」と、仏教のお話に入っていきます。


仏教伝道協会が発行する『仏教聖典』の中に収められた『転法輪経』の中に、以下の文言があります。
道を修めるものとして、避けなければならない二つの偏った生活がある。その一は、欲に負けて、欲にふける卑しい生活であり、その二は、いたずらに自分の心身の責めさいなむ苦行の生活である

苦行を戒めておられるのは、お釈迦様ご自身が六年間の苦行を実践し、自ら捨て去った経験から来ているのでしょう。(前回の掲示板の記事に詳述されています)


江田さんはお釈迦様が目指された苦楽のいずれにも偏らない「中道」という言葉の意味を説明し、私たちの生き方に迫ります。

このように極端な行為を避けることを「中道」といいます。ただし、極端を避けるというのは非常に難しく、そのためには常に客観的に自分の言動や生き方を省みる必要があります。

そして、江田さんは仏教の「八正道」という教えを提示しながら、私たちの行いが正しいかどうかを仏教に照らし合わせて見つめ直す大切さを説き、コラムを結びます。

私たちは気づかないうちに極端に振れることがあります。お釈迦さまは、「中道とは八正道に基づいて生きること」ともおっしゃっておられます。仏教の教えを通して、自分の行いが正しいかどうかをどのようなときにも見つめなおすことが大切なのではないでしょうか。

私たちの思考も行動も「極端に振れる」ことが起こりやすいものです。そんな自分自身を見つめ直すときも、仏教の教えを物差しに、できればがんばりすぎず、うつむきすぎず、水平に振り返ることができればと思うところです。



引用部、『「お寺の掲示板」の深〜いお言葉』(江田智昭/ダイヤモンドオンライン 2025年3月31日更新)より

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