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お知らせ

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お寺の掲示板(令和6年8月)

草加光明寺の掲示板に毎月掲出している言葉をご紹介いたします。取り上げる言葉とその解説は、『お寺の掲示板』(江田智昭著・新潮社)等を参考にさせていただいております。



「疲れたら ひと休み。 休んだら また一歩。」


この言葉は、2023年に行われた「輝け!お寺の掲示板大賞」にて「ここより賞」に選出された作品です。


仏教全般の情報を発信するホームページ「ここより」編集部からの講評はこちら。

この数年、私たちは感染症の危険に晒されながら生活をしてきました。「一休み」も大事なことですが、「また一歩」という言葉から、疲れやストレスの中でも動かなければならない人へのエールを感じ、選出しました。

この講評を手がかりに、『お寺の掲示板』の江田さんは掲示板の言葉を読み解いていきます。


江田さんは、コロナ前のように戻ったような社会の中で、3年ほどのブランクを経たことで現代の慌ただしさに疲れてしまった方も多いのではないか、と考え、

かつて「不要不急」と言われていたことも行わなければならず、頑張りすぎて体調を崩す人もいらっしゃるようです。

と、思いを馳せていきます。


ここで江田さんは「頑張る」という言葉の意味の変遷について教えてくださいます。

昔、宗教思想家のひろさちや氏が、「“頑張る”という言葉は美辞ではなく、以前は軽蔑の意味を込めて使われていた」とおっしゃっていました。同時に、「“頑張る”という言葉が市民権を得たのは、1936年ベルリンオリンピック大会の水泳実況で連呼された『前畑頑張れ!』あたりからである」とも指摘されていました。

そして江田さんは、「頑張る」価値観への警鐘を鳴らし、掲示板の言葉を以下のようにまとめていきます。

 当然のことながら、どんな人間もずっと頑張り続けることはできません。現在の日本社会では、“頑張る”ことが完全な美徳になっていますが、そのような価値観をまともに信じこんでいたら、必ずどこかのタイミングで自身が不幸になってしまいます。
“頑張る”ことが必ずしも正義ではありません。疲れたときは一休みして、またほどほどに取り組めばよいのです。

「頑張る」ことが美徳となり、過剰に求められてしまう今こそ、ご自身の体調を大切に。「ひと休み」と「また一歩」でまいりましょう。


引用部、『「お寺の掲示板」の深〜いお言葉』(江田智昭/ダイヤモンドオンライン 2023年12月25日更新)より

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