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お知らせ

News and Announcements

お寺の掲示板(令和5年12月)

草加光明寺の掲示板に毎月掲出している言葉をご紹介いたします。取り上げる言葉とその解説は、『お寺の掲示板』(江田智昭著・新潮社)等を参考にさせていただいております。

「たとえすべての事業・財産を失うことがあっても 他力安心の信心を失ってはならない」

今回の言葉を残した伊藤忠兵衛さん(「伊藤忠商事」や「丸紅」の創業者)は、滋賀県犬上郡豊郷町という伝統的に浄土真宗の信仰の篤い地域に生まれました。


忠兵衛さんは「商売は菩薩の業(行)、商売道の尊さは、売り買い何れをも益し、世の不足をうずめ、御仏の心にかなうもの」という言葉を残しています。これが「三方よし」という言葉となって、多くの会社経営の規範となっているということです。 さてこの忠兵衛さんは博多・萬行寺の七里恒順和上という大変学識のある僧侶とつながりがあったそうですが、忠兵衛さんはあるとき「商売をしていると欲などの煩悩が起こるため、商売をやめて地元に帰り、田畑を耕しながら仏法三昧の生活を送りたい」と七里さんに相談したそうです。 その際、七里さんはその相談に対して農業をつづけることもまた煩悩を引き起こすこと、商売をすることは激しい煩悩をおこす機縁となるが、商売で受ける刺激によって仏教の教えを聞くことを続けやすくなることを説きました。 『お寺の掲示板入門』にて江田さんはこの点を、情報の多い環境にいてストレスをうけがちな私たちにとっても興味深い指摘ではないかと伝えるとともに 「このような七里和上のアドバイスがなければ、いまの伊藤忠商事や丸紅はなかったのではないか」と振り返っています。


最後に江田さんによる結びのひとことを引用します。

どんな生活を送っていても、「聞法」と「信心」が基本にある。このような姿勢を私たちも見習いたいものです。

引用部、『お寺の掲示板入門(江田智昭/本願寺出版社)』P40~P41より

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